【神奈川県全域・東京都町田市の地域情報紙よりご紹介】

六ツ川の県立横浜国際高校(里見正憲校長)が県立高として初めて校庭を全面芝生化してから2年が経過した。芝が根付き、当初の目的の一つであった近隣住宅への飛砂防止に効果が見られている。6月30日には年1回の大規模補修を実施。芝をさらに定着させていく。

芝生校庭

2008年に六ツ川高校と磯子区の外語短大付属高校が統合し、開校した同校。統合前から風で校庭の砂が舞い上がり、近隣の住宅に影響を与えることが多かった。高橋勝己副校長は「風が少しでも強いと、砂ぼこりが舞い、近所の方からすぐに電話がかかってきていた」という。その都度、スプリンクラーで散水していたが、風向きによっては、その水が家の洗濯物を濡らしてしまうこともあり、対応に苦慮していた。

また、08年の開校直後に生徒が校庭に落ちていた針金でけがをしたこともあり、安全面への配慮から芝生化を検討。生徒数が約500人で、ほかの県立高に比べて少なく、校庭の使用頻度が低いことや芝への負担が大きい野球部がないことなどから、県立高初の全面芝生化を決めた。

校庭芝生化 住民も変化実感

11年7月に芝の苗を植え、約7000平方メートルの校庭全体に3カ月で広がった。校庭は体育の授業とサッカー部、ラクロス部が使用している。同校では「芝生化されてからは、砂ぼこりに関する電話はなくなった」と話し、効果が出ている。学校の北側に住む男性も「砂が飛んでこなくなった」と変化を感じている。

体育教諭によると、運動中の接触などで倒れた場合でも芝がクッションとなり、大きなけがにつながることがなくなったという。

校庭芝生化 成長で根付く

ただ、1年目は十分に芝が根付いていないため、傷みが激しかった。昨年6月に芝がなくなり、土が見えてしまった部分に苗を植え、補修した。苗は海老名市の県立中央農業高で育成されたものを使用。今年も6月30日に補修を行い、生徒らが3000個の苗を植えた。高橋副校長は「1年目より芝の密度が濃くなり、根付きが良くなった」と成長を実感している。

管理する職員の負担を軽減しようと、昨年8月からは芝刈り機を導入したが、朝と夕方、1日2回の散水は欠かせない。高橋副校長は「芝が定着できるようにしたい」と、この2年の経験を管理に活かしていく。