– 副側溝を生かしたハイブリッド式 –
芝生の本場ヨーロッパではトップクラスの施設と一般自治体施設とでは根本的に芝生化に対するアプローチ、及びコンセプトが違います。30年も前から床土は上質の砂、芝生床土の保温システム(ヒーター設置)、自動給排水システム(床土の給排水は基盤からのポンプで)、太陽光反射システム等、コンセプトは一流の選手のスポーツ競技が常にベストな状態で出来る。(多くの観客も認める)その為コストは最終。
一方一般自治体の施設では、コンセプト自体が80点の施設をいかにイニシャルコスト、及びランニングコストを少なくリーズナブルに建設し維持するか。ここに主眼が置かれています。非常に合理的に考えられ、埋設型透水管も多くの施設で設置されていない。設置しない理由は、日本と同じで砂でない一般の土では3年前後で透水管が徐々に機能しなくなる、それらを掘り起こして改修するには時間とコストが必要になり(日本では約1万平方メートルで一億円前後と云われている)また、投資効果も低く、デメリットが多い。(仮に5年間良い状態が続いたとしても、1億円÷5年=2千万/年間となる。)
このようなことから、これらに変わる方法として、欧米ではスリットドレン工法と云われる工法を開発。多くの業者が参入し、芝生の排水機能が失われてくると、床土を垂直に深さ300mm前後、幅30mm~50mm溝を施設外まで掘り抜き、排出し、そこに透水性の良い砂を投入し透水管として機能させる。
同時に、床土に蓄積した根、茎、サッチ等の劣化残渣(ブラックレイヤー)も敷地外に排出、この作業(200万円前後)を3年前後のスパンで繰り返すことにより、施設をほぼ半永久的に改修することなく持続させています。
仮に日本のように悪くなっても我慢し15年に1億円で改修して、1億円÷15年=約660万円/年間。3年に一度300万円の作業を15年間で5回行なったとしても、15年で1500万円となり(1500万円÷15年=100万円/年間)当然ビジネスとして成立しています。
これらを私達、日本で成立出来ないか、また出来ている実績は?調査をすると一部のスポーツ施設等では、実績がありますが、殆どがゴルフ場のグリーンで行われています。
何故スポーツ施設等で欧米一般的で非常に合理的な工法が日本で成立しないか、『理由は』結論を先に言えば、欧米の一般のサッカー、ラグビー場等のスポーツ施設は、日本のように構造物で(側溝等)囲まれておらず、丁度ゴルフ場のグリーンと同じように、場外に排水が自然になされている。当然構造物で囲まれている施設ではスリットドレン、ターフドレイナー工法も殆ど効果がなく現状では使えなかった工法でした。丁度プールの底に透水管等を埋設し、シルト分の無い砂で無く、一般真砂土、及び花崗土を投入し、芝生を植える。コアリング、スパイキング等の更新をしても経年よる透水管等の目詰りが徐々に進行してくると常に排水不良となり、上記更新作業、また殺菌・殺虫・除草剤・多肥料等多くの労力にもかかわらず結果が出ない。これらは根本的には、わが国の国土の地理的要因が大きく作用しています。
たとえばドイツなどでは、国土の80%近くが平地であり、有名なアウトバーンも殆どが平地に走っており、平地の少ない我が国の山岳部を切り開いて通す高速道路とコストも造りも全く違います。当然スポーツ施設及び公園等も専門家のご指摘通り起伏地の切り土造成、平地においても無駄なく活用、施設外に少しでも影響を及ぼさないようにするには、当然側溝等の構造物で囲む必要に迫られ現在に至ったと云われています。
*ところがこの事が、我が国のスポーツ施設、及び公園等芝生施設のイニシャル・ランニング等の超高コスト化につながり、各自治体・施設管理の方々の高負担となっています。これらのことから今一度ヨーロッパ等の合理的で低コストの施設維持方法を、我が国の現状に合わせ、更にもっと良い方法で低コストと簡単なメンテナンスで解決したのが先に述べました、『副側溝工法』とメンテナンス可能な新『濾過構造体』です。
『副側溝工法』とメンテナンス可能な新『濾過構造体』による(約600万円通常使用で10年、約200mm 構造体の深さにより変化します。)施設施工及び改善提案です。(600万円÷10年=60万円 60万円+先の100万円=160万円 660万円-160万円=排水の良いきれいな芝で約500万円も節約になります。(概算です。多少の前後の可能性はあります。)
- 理由1『有機物残渣の蓄積外』いくら透水性のよい砂が主体の施設でも経年変化により床土層に芝の茎・根・サッチ等有機物が徐々に未分残渣が不透水層を形成蓄積し雑菌、害虫の住処となる又、常に湿度を保ち易くなるため雑草の発芽侵入害の発生。
- 理由2『透水管の目詰まり」更新時(コアリング、スパイキング、シャッタリング等)に年々砂が強い力で圧縮粉砕されることにより、物理的に微粒子化(シルトと云われる)しそれらと共に上記有機物残渣微粉が透水管の不織布に目詰りを起こさせる。